融資の面談で聞かれることは?
金融機関が質問する3つのことと、その理由

融資の面談で聞かれるのは、資金使途(お金を何に使うか)、返済原資(どうやって返すか)、事業の実態と経営者(会社と社長がどんな人か)の3つです。日本政策金融公庫(以下、公庫)は申し込みの流れの案内に、面談では「資金のお使いみちや事業計画など」を聞くと書いています。融資支援をしている株式会社Better ideaでは、面談の質問を、金融機関が確かめたい内容でこの3つに分けて整理しています。

この記事の要点

  • 面談の質問は、資金使途、返済原資、事業の実態と経営者の3つに分けられます。どれも返済可能性(貸したお金が約束どおりに返ってくるか)を判断する材料です
  • 創業前の会社は創業計画と社長の経歴を、決算実績のある会社は決算書と今期の試算表を中心に聞かれます
  • 社長が答えに詰まりやすいのは、数字の増減の理由、借入希望額の根拠、他行借入の3つです

質問の内容と順番は、金融機関と担当者によって違います。この記事は一般的な考え方で、面談で同じように答えれば融資を受けられるという意味ではありません。

面談で聞かれる3つのこと

金融機関が面談で確かめたいのは、返済可能性、つまり貸したお金が約束どおりに返ってくるかです。決算書や申込書だけでは分からない部分を、社長に直接質問して確かめます。質問の言い方は担当者ごとに違いますが、確かめたい内容で分けると次の3つになります。

融資の面談で聞かれる資金使途、返済原資、事業の実態と経営者の3つが、返済可能性の判断につながることを示した図

1. 資金使途(お金を何に使うか)

最初に聞かれることが多いのが、借りたお金の使い道です。「今回のお金は何に使いますか」「設備はいつ納品されて、いつ支払いますか」のように質問されます。仕入れや給料の支払いに使う運転資金か、機械や店舗に使う設備資金かで、返済期間と返済原資が変わるためです。設備資金なら、見積書の金額と支払いの時期も確かめられます。

融資は、申し込みの時に伝えた資金使途のために出るお金です。運転資金と設備資金の違いと、伝えた使い道と違う使い方をした時の扱いは、コラム「運転資金と設備資金の違い」に書いています。

2. 返済原資(どうやって返すか)

次に聞かれるのが、返済原資です。金融機関は、本業の利益から毎月の返済を払えるかを確かめます。決算書で前期の利益を見たうえで、「今期の売上と利益は前期と比べてどうですか」「このお金を使うと、売上はいつからどのくらい増えますか」と、今期の業績の推移と、返済を裏付ける売上の計画を質問します。

前期が赤字の会社は、赤字の要因と、今期に何を変えたかを聞かれることが多くなります。赤字の会社が公庫の融資を受けた事例は「前期が赤字でも日本政策金融公庫の融資は受けられる?」で紹介しています。

3. 事業の実態と経営者(会社と社長がどんな人か)

3つ目は、事業の中身と社長についての質問です。「主な取引先はどこですか」「社長はこの事業の前にどんな仕事をしていましたか」のように、何を誰に売っているかと、社長の経歴を聞かれます。他行借入(ほかの金融機関からの借り入れ)の残高や、税金と社会保険料の滞納が無いかも確かめられます。

面談では、事業計画を立てた本人が、計画と決算書の数字の根拠を自分の言葉で説明できるかも見られます。どこまで重く見るかは金融機関によって違います。審査で見られることの全体は、コラム「融資の審査基準とは?」をご覧ください。

創業前の会社と、決算実績のある会社で質問が変わる理由

創業前や創業したばかりの会社には、決算書がありません。そのため金融機関は、創業計画書と社長の経歴、自己資金(自分で用意したお金)をもとに質問します。公庫の創業計画書には、創業の動機、経営者の略歴、取引先、必要な資金と調達の方法などの欄があり、面談ではその欄に書いた内容の根拠を聞かれます。欄ごとに何を見られるかは「創業計画書の書き方」で取り上げています。

決算実績のある会社には、決算書という過去の数字があります。質問の中心は、決算書の数字がなぜその数字になったのか、今期の数字がどう推移しているかに移ります。公庫は面談の準備として、事業計画の資料に加えて、資産と負債が分かる書類を挙げています。

社長が答えに詰まりやすい質問

株式会社Better ideaが面談の準備を支援してきた中で、社長が答えに詰まりやすかった質問は次の3つです。

  • 数字の増減の理由:売上が下がった理由や経費が増えた理由を、税理士に任せていて社長が答えられない
  • 借入希望額の根拠:「念のため多めに」と答えてしまい、なぜその額が要るのかを示せない
  • 他行借入:別の金融機関の借り入れや社長個人のローンを面談で伝えず、後で書類や信用情報から分かる

この3つは、面談の場で言い方を変えても答えられるようにはなりません。申し込む前に、数字の増減の理由と借入希望額の根拠を、社長が自分で確認しておく必要があります。質問ごとの答え方と、面談に持っていく資料と話す順番は、noteの会員向けの記事「銀行面談の前に準備する資料と、話す順番」にまとめています。

融資を申し込む前に経営者からよく受ける質問への答えは、「融資を申し込む前によくある6つの質問」にあります。

銀行との付き合い方を詳しく知りたい方へ

当社が運営する「Bank Design|銀行戦略メディア」のnoteでは、銀行ごとの違い、複数の銀行との取引の考え方、金利や返済期間の相談の考え方を、経営者向けに書いています。面談の資料と話す順番を扱った「銀行面談の前に準備する資料と、話す順番」は会員向けの記事です。

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当社は、資金使途と必要な金額の整理から、借入希望額の根拠を示す資金計画書と5年分の事業計画の作成、金融機関との面談の準備までを支援しています。サービスの内容は融資支援のページで紹介しています。

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