創業融資は創業後何年以内まで使える?
公庫・保証協会・制度融資の期限

創業向けの融資は、創業する前だけでなく、創業してから数年の間も使えます。使える期限は制度ごとに違い、日本政策金融公庫の創業向けの融資は事業を始めてからおおむね7年以内、信用保証協会の創業向けの保証は創業後5年未満が目安です。

「創業融資は1回しか使えない」「2年目からは使えない」と思われがちですが、期限の中なら、2年目や3年目に初めて申し込むこともできます。決算を迎えた後なら、創業前より実績を見せやすい面もあります。

要点

  • 公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、事業開始後おおむね7年以内まで使えます
  • 保証協会の創業向けの保証は、創業後5年未満が目安です
  • 自治体の制度融資は、自治体ごとに期限が違います

制度ごとの期限

公庫の創業向けの融資は事業開始後おおむね7年以内、保証協会の創業向けの保証は創業後5年未満、自治体の制度融資は自治体ごとに異なることを並べた図

制度

使える期限の目安

上限

公庫 新規開業・スタートアップ支援資金

事業開始後おおむね7年以内

7,200万円

保証協会 スタートアップ創出促進保証

創業後5年未満

3,500万円

自治体の創業向けの制度融資

自治体ごと(1年未満から5年未満まで幅がある)

自治体ごと

公庫の制度は、創業前の人と、事業を始めてからおおむね7年以内の人が対象です。設備資金は20年以内、運転資金は10年以内で返します。制度の中身は新規開業・スタートアップ支援資金とは?で説明しています。

保証協会のスタートアップ創出促進保証は、創業の予定がある人と、創業後5年未満の会社が使えます。経営者が連帯保証人にならずに借りられる代わりに、保証料が少し高くなります。保証協会の仕組みは信用保証協会とは?で説明しています。

「創業から何年」の数え方

期限は、事業を始めた日から数えます。法人なら会社を設立した日、個人事業主なら開業した日が目安です。

迷いやすいのは、個人事業主から法人にした場合です。会社の設立は最近でも、同じ事業を個人で何年も続けていれば、個人で始めた日から数える制度があります。スタートアップ創出促進保証も、対象に「創業後5年未満の法人成り企業」を挙げています。どちらで数えるかは制度ごとに違うので、申し込む前に窓口で確かめます。

2年目・3年目に申し込む時に見られること

創業前の申し込みでは、決算書がないので、創業計画書と経歴、自己資金で判断されます。1期目の決算を終えた後は、決算書の数字が見られるようになります。

計画どおりに売上が立っていれば、それが一番の説得材料です。計画より売上が少なくても、赤字の理由と、いつから黒字になるかを数字で説明できれば、審査の土台になります。創業期に見られることは創業したばかりでも融資は受けられる?で、計画書の作り方は創業計画書の書き方で説明しています。

創業の時にすでに創業向けの融資を使っていても、期限の中なら2回目を申し込めることがあります。ただ、1回目の返済が始まったばかりで追加を申し込むと、1回目の計画とのずれを聞かれます。1回目の借入で何ができて、次に何に使うかを説明できる時期を選ぶのが基本です。

期限を過ぎた後の借り方

創業向けの期限を過ぎても、融資を受けられなくなるわけではありません。公庫の一般の融資、保証協会の一般の保証を付けた銀行の融資、保証を付けないプロパー融資が使えます。

創業向けの制度は、実績のない会社を支えるための条件になっています。期限を迎えるころには、決算書が何期分かそろい、銀行は数字で会社を見るようになります。創業期の融資で返済の実績を積んでおくと、その後の借入がしやすくなります。プロパー融資の考え方はプロパー融資とは?で説明しています。

期限が近い時の考え方

公庫の制度で事業開始から6年目に入っている会社なら、創業向けの制度を使うか、一般の融資にするかを比べる時期です。創業向けの制度は据置期間を長く取れたり、特別利率を使えたりする一方で、6年分の決算書があれば、一般の融資でも条件は大きく変わらないことがあります。

比べる時は、金利、返済期間、据置期間、保証人の扱いの4つを並べます。創業向けだから有利とは限らないので、担当者に両方の条件を聞いて決めます。期限を気にして急いで借りるより、使いみちと時期が決まってから申し込むほうが、審査でも説明しやすくなります。

保証協会の創業向けの保証は5年未満で終わるので、公庫より先に期限が来ます。保証付きで借りたい会社は、5年目の決算が近づいたら、創業向けと一般の保証のどちらで申し込むかを銀行の担当者と話しておきます。

銀行との付き合い方を詳しく知りたい方へ

当社が運営する「Bank Design|銀行戦略メディア」のnoteでは、創業期からの銀行との付き合い方や、融資の段階の進め方を、経営者向けに書いています。銀行とのやり取りを詳しく知りたい方は、Bank Designのnoteもご覧ください。

融資のご相談

当社は、創業計画と資金繰り表づくり、金融機関との面談の準備を支援しています。創業から数年たって、次の借入を考える段階からご相談いただけます。サービスの内容は融資支援のページで紹介しています。

制度の対象や期限、条件は変わることがあり、金融機関の審査によって決まります。この記事は一般的な説明で、特定の会社が融資を受けられることを示すものではありません。

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