2店舗目の融資では、1店舗目の時と審査で確認される点が変わります。1店舗目は決算書が無いため、金融機関は創業計画と経営者の経歴、自己資金をもとに判断しました。2店舗目では1店舗目の決算書があるため、1店舗目がどれだけ利益を出し、今の借入を約定どおりに返済しているかが判断の中心になります。
この記事の要点
- 1店舗目は計画と経歴、2店舗目は1店舗目の決算書と返済の実績が、審査の中心になります
- 2店舗目の計画では、1店舗目の実績をもとにした売上の見込み、2店舗分の返済ができるか、社長が2店舗を管理できる体制かの3つが確かめられます
- 1店舗目の決算が良い時期に相談すると、実績を説明する材料がそろいます
審査の考え方は金融機関と担当者によって違います。この記事は一般的な考え方で、同じように準備すれば融資を受けられるという意味ではありません。
1店舗目の融資で確認されたこと
1店舗目を開く時、多くの会社は創業したばかりで決算書がありません。日本政策金融公庫(以下、公庫)の創業計画書には、創業の動機、経営者の略歴、取引先、必要な資金と調達の方法などの欄があり、金融機関はこの計画と、経営者がその業界で働いた経験、自分で用意した資金をもとに判断します。創業時の融資の考え方は「創業したばかりでも融資は受けられる?」で取り上げています。
2店舗目で審査の中心が変わる理由
2店舗目の融資を申し込む時には、1店舗目の決算書があります。金融機関にとって、計画よりも実際の決算の数字の方が、返済できるかを判断する確かな材料です。そのため、審査の中心は、計画の書き方から1店舗目の実績へ移ります。

1店舗目の決算書
1店舗目の売上と利益が、開店前の計画と比べてどうだったかが確認されます。計画より下回った場合は、その理由と、2店舗目の計画にどう反映したかを聞かれます。決算書のほかに審査で確認されることは「融資の審査基準とは?」で取り上げています。
今の借入の返済状況
1店舗目の時に借りたお金を、約定どおりに返済しているかも確かめられます。返済の遅れや、税金と社会保険料の滞納があると、次の融資の判断に影響します。
2店舗目の計画で確かめられる3つのこと
確かめられるのは、1店舗目の実績にもとづいた売上の見込み、2店舗分の返済ができるか、社長が2店舗を管理できる体制か、の3つです。
1店舗目の実績にもとづいた売上の見込み
2店舗目の売上の見込みは、1店舗目の客数や客単価をもとに説明できると、根拠が伝わります。立地や客層が1店舗目と違う場合は、その違いをどう見込んだかも聞かれます。
2店舗分の返済ができるか
1店舗目の借入の返済が続いている中で、2店舗目の借入の返済が加わります。2店舗目の売上が安定するまでの数か月、1店舗目の利益で2店舗分の返済ができるかが確かめられます。内装や設備に使う設備資金と、開店から売上が安定するまでの運転資金を分けて考える理由は「運転資金と設備資金の違い」をご覧ください。
社長が2店舗を管理できる体制か
1店舗目では社長が店に立っていた会社も多くあります。2店舗目を開くと、社長がどちらかの店にいない時間ができます。店長を任せる人がいるか、売上と仕入れの数字を店ごとに確認できるかも、計画の実現性として確認されます。1店舗目で店長の候補を育ててきた期間や、仕込みや発注の手順を店長に任せている範囲も、説明の材料になります。
店舗ごとの数字を分けて記録しておく理由
2店舗目を出した後は、店舗ごとの売上、仕入れ、人件費、家賃を分けて記録しておくことが大切です。会社全体の決算書だけでは、どちらの店舗が利益を出し、どちらの店舗の売上が計画に届いていないかが分かりません。3店舗目の融資を相談する時、金融機関は2店舗目が計画どおりに売上を伸ばしたかを確かめます。店舗ごとの数字が分かれていれば、2店舗目の実績を根拠として説明できます。
2店舗目の自己資金も確認されます。1店舗目の利益から積み立てた資金を出店の費用の一部に充てると、1店舗目が利益を出していることと、資金を計画的に残してきたことを示す材料になります。
2店舗目の相談は、1店舗目の決算が良い時期に
2店舗目の融資を相談する時期は、1店舗目の決算の数字が出て、利益と返済の実績を説明できる時期が適しています。物件が見つかってから急いで申し込むと、審査の期間中に契約の期限が来ることもあります。融資を相談する時期の考え方は「融資はいつ借りるのがいい?」で取り上げています。
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