信用保証協会の保証を付けて借りると、会社は保証協会に保証料を払います。保証料は融資の金利とは別に払うもので、多くの場合、借りた時に保証の期間の分をまとめて払います。
同じ金額を借りても、会社によって保証料は違います。決算書の数字から料率が決まり、返す期間と返し方でも額が変わるためです。
要点
- 保証料は、借りる金額×料率×期間×分割の係数で決まります
- 料率は決算書の数字などで9つの区分に分けられます
- まとめて払った保証料は、期間に応じて少しずつ経費にします
保証料の計算式
東京信用保証協会の案内では、保証料は次の式で計算します。
保証料=借りる金額×保証料率×保証の月数÷12×分割の係数
分割の係数は、毎月返していくと保証している残高が減ることを反映するための数字です。元金を均等に分けて返す場合、返す回数が2〜6回なら0.70、7〜12回なら0.65、13〜24回なら0.60、25回以上なら0.55を使います。期日にまとめて返す場合は係数を掛けません。
計算の例
1,000万円を5年(60か月・60回)で、料率1.00%の区分で借りる場合で計算してみます。
1,000万円×1.00%×60÷12×0.55=27万5千円

同じ条件で料率が1.90%の区分なら約52万円、0.45%の区分なら約12万円です。区分の違いだけで40万円ほどの差が出るので、借りる前に自社がどの区分になりそうかを銀行の担当者に聞いておくと、資金繰りの計画を立てやすくなります。
料率の決まり方
保証料率は、9つの区分に分かれています。区分は、決算書の数字をもとにした評価(CRDと呼ばれる中小企業の信用データベースを使ったもの)で決まります。自己資本の厚さや、借金の多さ、利益の出方がよいほど、低い区分になります。
東京信用保証協会の一般保証では、無担保の場合で年1.90%から0.45%です。創業向けの保証や、経営者保証を外す制度など、制度ごとに別の料率が決まっているものもあります。
自治体の制度融資では、保証料の一部か全部を自治体が補助することがあります。同じ借入でも、制度融資を通すかどうかで払う額が変わります。制度融資の仕組みは制度融資とは?で説明しています。
途中で返し終えた時
予定より早く全額を返した時は、残りの期間に当たる保証料の一部が戻ってくることがあります。戻る額の計算は協会ごとに決まっていて、全額が戻るわけではありません。借り換えで繰り上げて返す時は、戻ってくる保証料と新しく払う保証料を比べて判断します。
保証料の仕訳
借りた時にまとめて払った保証料は、払った年に全部を経費にせず、保証の期間に分けて経費にします。払った時は前払費用(1年を超える部分は長期前払費用)として計上し、決算ごとにその期の分を「支払保証料」に振り替えます。
上の例の27万5千円を5年で分けるなら、1年あたり5万5千円が目安です。実際には、返すほど保証している残高が減るので、残高に応じて配分する方法もあります。どちらを使うかは顧問の税理士と決めておくとよいです。日々の仕訳の決め方は仕訳のルールの決め方で説明しています。
金利と保証料を足して比べる
保証付き融資とプロパー融資を比べる時は、金利だけを見ると判断を誤ります。保証付き融資は金利が低めでも、別に保証料を払うからです。
上の例で、1,000万円を5年、金利1.5%、保証料27万5千円で借りるとします。元金均等で返すと、5年間の平均の残高は約508万円です。返すほど残高が減るので、保証料のコストは借りた額ではなく、平均の残高と比べるのが実態に近い見方です。保証料を1年あたりにすると5万5千円で、平均の残高で割ると年約1.1%になります。金利の1.5%と足すと、借入のコストは年2.6%ほどです。
同じ銀行からプロパー融資を年2.3%で借りられるなら、保証料を含めた保証付き融資より安く済みます。反対に、プロパー融資の金利が3%を超えるなら、保証付き融資のほうが負担は軽くなります。プロパー融資の考え方はプロパー融資とは?で説明しています。
銀行との付き合い方を詳しく知りたい方へ
当社が運営する「Bank Design|銀行戦略メディア」のnoteでは、保証付き融資とプロパー融資の使い分けや、借入のコストの考え方を、経営者向けに書いています。銀行とのやり取りを詳しく知りたい方は、Bank Designのnoteもご覧ください。
融資のご相談
当社は、資金繰り表と返済の計画づくり、金融機関との面談の準備を支援しています。保証付き融資の条件を比べる段階からご相談いただけます。保証協会の仕組みは信用保証協会とは?で、サービスの内容は融資支援のページで紹介しています。
保証料率や計算方法は信用保証協会と制度によって異なります。この記事は一般的な仕組みの説明で、特定の会社が融資や保証を受けられることを示すものではありません。