中小企業では、経理の仕事を1人の担当者が長年続けていることがよくあります。その人がいる間は問題なく回っていても、急に辞めたり、病気で長く休んだりすると、社内の誰も経理の仕事の中身を知らないことに気づきます。
この記事では、経理の担当者が1人の会社で、その人がいなくなった時に止まる仕事と、止まる理由を説明します。
この記事の要点
- 担当者がいなくなると、取引先への支払い、請求書の発行、給与の計算が最初に止まります
- 止まる理由は、手順、パスワード、取引先との決まりが、担当者の頭の中にしか無いことです
- 引き継ぎの書類を作るより先に、作業そのものを1人に頼らない形に変える方が確実です

最初に止まる仕事
担当者がいなくなって最初に困るのは、期日のある仕事です。取引先への支払いが遅れると、信用に関わります。請求書を出し忘れると、売上の入金が遅れます。給与の計算と振り込みが止まれば、社員の生活に関わります。
次に止まるのが、月次の締めと、税理士や金融機関とのやり取りです。試算表ができなくなり、税理士に渡す書類もそろわなくなります。金融機関から決算の報告を求められても、誰も資料の場所が分かりません。
止まる理由は、頭の中にしか無いこと
1人の担当者が長く続けている経理には、書き残されていない決まりが多くあります。どの取引先には何日に払うか、どの請求書はどこから届くか、どの取引をどの勘定科目に入れるか、といった決まりです。
会計ソフト、ネットバンキング、給与のシステムのログインの情報を、担当者だけが持っていることもあります。担当者が辞めた後に、振り込みの承認ができない、会計ソフトに入れない、という事態になると、仕事を再開するまでに時間がかかります。
引き継ぎの書類だけでは足りない
担当者が辞める時に、引き継ぎの書類を作ってもらう会社は多いと思います。けれども、長年続けてきた仕事を数週間でまとめるのは難しく、例外の処理や、月に1回しか出てこない作業が抜け落ちがちです。急な病気や事故では、書類を作る時間もありません。
1人に頼らない経理にするには、作業の形そのものを変える必要があります。考え方の軸は次の3つです。
- ログインの情報と承認の権限を、社長も持つ
- 銀行口座と法人カードを会計ソフトにつなぎ、手入力を減らす
- 締めの順番と期限を決めて、誰が見ても分かる形にする
締めの順番が決まっていない会社で起きることは月次の締めが遅れる会社で決まっていない3つのことで説明しています。
社内に人を置くか、外に任せるか
経理の担当者を2人以上置ける会社は多くありません。1人の担当者を残しながら、記帳や締めを外部に任せて、社内と社外の2か所で仕事が分かる状態にする会社もあります。経理と財務の役割の違いは中小企業に財務ができる人が少ない理由で説明しています。
経理のご相談
当社の経理BPOは、記帳から月次の締めまでを決まった手順で引き受け、翌月の第10営業日までに試算表をお渡しします。担当者が1人の会社の経理を、1人に頼らない形に変えるところから支援します。サービスの内容は経理BPOのページで紹介しています。