中小企業では、経理を担当する人はいても、資金繰りの見通しを立て、いつ、いくら借りるかを判断できる人はなかなかいません。多くの会社では、その判断を社長が一人で決めています。
この記事では、経理と財務の違いと、財務ができる人が少ない理由を、当社の見方として説明します。
この記事の要点
- 経理は起きたお金の動きを記録する仕事で、財務はこれからのお金の動きを決める仕事です
- 財務は、会計の知識と、銀行とのやり取りと、事業の理解をあわせて使う仕事で、学ぶ場が限られています
- 中小企業では、財務の専任者を置くほどの業務量が無く、経験を積む機会も生まれにくくなっています
経理と財務は、見ている時間が違う
経理は、売上や経費、入金や支払いを帳簿に記録し、試算表や決算書にまとめる仕事です。見ているのは、すでに起きたお金の動きです。

財務は、これから先のお金の動きを見通し、足りなくなる時期の前に手を打つ仕事です。資金繰り表で何か月か先の入金と支払いを並べ、いつ、どこから、いくら借りるか、投資や採用にいくら使えるかを決めます。経理は起きたことの記録で、財務は先の判断です。経理の数字が、財務の判断の材料になります。
財務ができる人が少ない理由
いくつもの知識をあわせて使う仕事だから
財務には、決算書を読む会計の知識と、金融機関がどう判断するかの理解と、自社の事業がどう売上と利益を生むかの理解が、すべて要ります。会計に詳しい人、銀行に詳しい人、事業に詳しい人はそれぞれいても、3つをあわせて持つ人は多くありません。
学ぶ場が限られているから
税理士は税金の申告の専門家で、金融機関の担当者はお金を貸す側の専門家です。どちらも会社の財務に関わりますが、会社の側に立って、借入や投資の判断を一緒に決める役割は、どちらの通常の仕事にも含まれないことが一般的です。会社の中で財務を教えてくれる上司がいることも、中小企業ではまれです。
中小企業では、経験を積む機会が少ないから
年商数億円規模の会社では、財務の専任者を採用するほどの業務量はまだありません。経理の担当者が財務の判断まで任されることは少なく、社長が判断を抱えたままになりがちです。その結果、会社の中で財務の経験を積む人が育ちにくくなります。
財務の専任者がいない会社の考え方
財務の専任者を採用するのが難しい会社でも、財務の仕事を無くすことはできません。社長が資金繰り表を見る習慣をつける、経理の担当者に資金繰り表づくりを任せて社長が判断する、外部のCFOに毎月の判断を手伝ってもらう、などの分け方があります。
財務を担う人になるための道筋はCFOになるにはどうすればいいかで説明しています。
財務のご相談
当社は、外部CFOとして、毎月の定例で資金繰り表と試算表を見ながら、借入の時期、投資の可否、採用の余力を経営者と一緒に決めています。サービスの内容は外部CFOのページで紹介しています。