デットとエクイティの違い 融資と出資は、お金を出す側の見方がまったく違う

会社がお金を集める方法は、大きく2つに分かれます。銀行などから借りて、利息をつけて返す「デット」と、投資家に株を渡してお金を出してもらう「エクイティ」です。どちらもお金が入ってくる点は同じですが、お金を出す側の考え方はまったく違います。

この記事では、デットとエクイティの違いを、お金を出す側の見方から説明します。

この記事の要点

  • エクイティの投資家は、100社に出資して1社が大きく成功すれば、ほかの99社で損をしても取り返せると考えます
  • デットの金融機関は、100社に貸して1社が返せなくなるだけでも損になるため、返せるかを最も重く見ます
  • どちらで集めるかは、事業がどのくらいの速さで、どのくらい大きくなるかで決まります

デットとエクイティの基本の違い

デット(融資)

エクイティ(出資)

お金を出す人

銀行、信用金庫、日本政策金融公庫など

ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家、事業会社など

返す必要

あり。元金と利息を決まった期間で返す

なし。代わりに株を渡す

出す側のもうけ

利息

会社の価値が上がった時の株の売却益

経営への関わり

原則として経営には口を出さない

株を持つので、経営の判断に関わる

100社にお金を出した時、エクイティは大きく成功する1社を、デットは返せない1社を気にすることを示した図

エクイティは「100社に1社」が当たればいい

ベンチャーキャピタルなどの投資家は、たくさんの会社に少しずつ出資します。そのうち多くの会社がうまくいかず、出資したお金が戻らなくても、1社が何十倍、何百倍にも成長すれば、全体でもうけが出ます。

そのため投資家は、「この会社は大きく成長する可能性があるか」を最も重く見ます。今は赤字でも、市場が大きく、急速に伸びる見込みがあれば出資を検討します。逆に、安定して利益が出ていても、大きく伸びる見込みの小さい事業は、出資の対象になりにくくなります。

デットは「100社に1社」も返せないと困る

金融機関が融資で得るのは利息だけです。会社がどれだけ大きく成長しても、もうけは決まった利息のままです。一方で、貸した会社が1社返せなくなると、利息で得たもうけの何年分もが消えます。

そのため金融機関は、「この会社は約束どおりに返せるか」を最も重く見ます。大きく伸びる可能性より、毎年の利益が安定しているか、返済に回せるお金があるかが判断の中心になります。融資の額がどう決まるかは自分の会社はいくらまで借りられるかで説明しています。

自社に合う集め方の考え方

多くの中小企業にとって、主な集め方はデットです。地域で安定した商売を続ける会社や、毎年少しずつ伸びていく会社は、金融機関が見る「返せるか」に合っています。株を渡さずに済むので、経営の判断を社長が持ち続けられます。

一方で、数年で売上を何十倍にすることを目指し、それまでは赤字が続く事業は、金融機関から見ると返せる見込みが立てにくく、エクイティのほうが合っています。ただし、株を渡すと経営の判断に投資家が関わり、後から取り消すことはできません。

どちらで集めるかは、事業がどのくらいの速さで、どのくらい大きくなるかで考えます。創業期の融資の考え方は創業したばかりでも融資は受けられるかを書いた記事で紹介しています。

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