CFO(最高財務責任者)は、会社のお金の流れを見通し、借入や投資、採用にいくら使えるかを、社長と一緒に決める役割です。上場を目指す会社のCFOは資本政策や投資家への説明も担いますが、中小企業のCFOに最初に求められるのは、資金繰りと金融機関とのやり取りです。
この記事では、中小企業のCFOに求められる力と、それぞれの立場から経験を積む道筋を説明します。
この記事の要点
- 中小企業のCFOに求められるのは、会計の知識、金融機関とのやり取り、事業の理解の3つをあわせて使う力です
- 経理、金融機関、会計事務所のどこから始めても、足りない部分を意識して経験を積めばCFOに近づけます
- 資格より、実際に資金繰り表を作り、借入の判断に関わった経験が重く見られます
中小企業のCFOがする仕事
中小企業のCFOの仕事の中心は、次のようなものです。何か月か先までの入金と支払いを資金繰り表にまとめ、お金が足りなくなる月を前もって見つけます。毎月の試算表と資金繰り表をもとに、借入の時期、投資の可否、採用の余力を社長と決めます。決算の報告や追加の融資の相談で、金融機関とやり取りします。年度の予算を作り、毎月の実績との差を確かめます。
求められる3つの力
会計の知識
損益計算書、貸借対照表、キャッシュフローの3つの数字の関係が分かり、決算書から会社の状態を読み取れることが土台になります。利益が出ていても手元のお金が減る理由を、説明できる必要があります。
金融機関とのやり取り
金融機関が何を見て融資を判断するのか、どの金融機関にどの順番で相談するのかを理解していることが求められます。数字を金融機関に伝わる形で説明する力も要ります。
事業の理解
自社の事業が、どこで売上を生み、どこにお金がかかっているのかを、現場の言葉で理解していることが求められます。数字だけを見ていると、売上が伸びる時期に運転資金が足りなくなるといった動きを先読みできません。

立場ごとの経験の積み方
経理の担当者から
会計の知識と自社の数字にはすでに詳しい立場です。足りないのは、先を見通す仕事と金融機関とのやり取りです。資金繰り表を自分から作って社長に見せる、金融機関との面談に同席させてもらう、といった仕事を引き受けて、経験を足していきます。
金融機関の出身者から
金融機関の判断の仕方には詳しい立場です。足りないのは、会社の中で事業とお金を一緒に動かす経験です。貸す側から見ていた数字を、借りる側の立場で作る経験を積みます。
会計事務所の出身者から
会計と税務の知識は十分にある立場です。足りないのは、過去の数字の整理から、先の判断に踏み込む経験です。顧問先の資金繰りの相談に乗る、予算を一緒に作る、といった経験が役に立ちます。
資格より、判断に関わった経験
CFOになるための決まった資格はありません。簿記や会計の資格は会計の知識の証明になりますが、中小企業がCFOに求めるのは、実際に資金繰り表を作り、借入や投資の判断に関わった経験です。今いる立場で、資金繰り表づくりや借入の相談のような、お金の判断に近い仕事を一つずつ引き受けていきます。
中小企業に財務ができる人が少ない理由は中小企業に財務ができる人が少ない理由で説明しています。
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