2025年に倒産した会社は1万261件でした。帝国データバンクが、負債1,000万円以上で法的な手続きに入った会社を数えた件数です。前の年より3.6%多く、4年続けて増えました。年間で1万件を超えたのは、2013年以来12年ぶりです。
この記事では、2025年の倒産の件数と、倒産の主な原因を公表された数字で整理し、倒産の手前で会社が見ておくことを説明します。
この記事の要点
- 2025年の倒産は1万261件(帝国データバンク)、1万300件(東京商工リサーチ)で、どちらも1万件を超えました
- 倒産した会社の6割強は負債5,000万円未満の小さな会社で、主な原因の8割強は販売不振です
- 物価高と人手不足による倒産が増え、今後は借入の金利の上昇も負担になると見られています
調査会社によって件数が少し違う
倒産の件数は、帝国データバンクと東京商工リサーチの2社がそれぞれ集計して公表しています。2025年の件数は、帝国データバンクが1万261件、東京商工リサーチが1万300件でした。どちらも負債1,000万円以上の倒産を数えていますが、集める情報の範囲が違うため、件数が少しずれます。記事やニュースで倒産の件数を見る時は、どちらの会社の数字か、1月から12月の暦年か、4月から3月の年度かを確かめると、ほかの数字と比べやすくなります。
負債の総額は、帝国データバンクの集計で1兆5,668億円でした。件数は増えた一方で、負債の総額は前の年より29.4%減っています。大きな会社の倒産が減り、小さな会社の倒産が増えたためです。負債5,000万円未満の倒産は6,383件で、全体の62.2%を占めました。
業種別では、サービス業が2,648件、小売業が2,193件、建設業が2,021件で、7業種のうち6業種で前の年より増えました。

主な原因の8割強は販売不振
帝国データバンクは、倒産した会社ごとに主な原因を1つ選んで数えています。2025年に最も多かった原因は販売不振で、8,385件でした。全体の8割強にあたり、前の年より3.9%増えています。ほかの原因は、経営者の病気や死亡が335件、放漫経営が190件で、販売不振との差が大きく開いています。
販売不振がここまで多いのは、ほかのきっかけで苦しくなった会社も、最後は売上が足りずに支払いができなくなる形で倒産するためだと考えられます。材料費が上がったのに売値を上げられなかった会社も、人が辞めて受注を減らした会社も、手元のお金が尽きる直前には「売上が足りない」状態になっています。
物価高、人手不足、後継者難による倒産
帝国データバンクは、主な原因とは別に、倒産の背景になった出来事ごとの件数も公表しています。
- 物価高による倒産は949件でした。材料費、光熱費、物流費が上がった分を売値に乗せられず、利益が減った会社です。円安で輸入品の値段が上がったことも影響しています。
- 人手不足による倒産は427件で、前の年より24.9%増えました。人が辞めて補充できなかった会社と、採用のために給料を上げて人件費を払えなくなった会社があります。
- 後継者難による倒産は503件でした。前の年より減りましたが、社長の高齢化や病気で、会社を継ぐ人がいないまま事業が止まる倒産が続いています。
帝国データバンクは今後の見通しとして、借入金の金利の上昇は会社の利益を直接減らし、倒産を増やすおそれがあるとしています。借入が多い会社ほど、金利が上がった時の利息の増え方は大きくなります。
倒産の手前で見ておくこと
会社が倒産するのは、赤字になった時ではなく、借入の返済や仕入れの支払いができなくなった時です。利益が出ていても、入金より先に支払いが来れば、手元のお金は足りなくなります。この仕組みは黒字でも倒産する会社が、お金を尽かす理由で説明しています。
倒産の手前で売上や利益の落ち込みに気づくには、次の3つを日ごろから見ておく必要があります。
- 毎月の売上と利益
- 手元のお金で何か月分の支払いができるか
- 取引している銀行が、今の会社の状況を知っているか
毎月の数字が無い会社が銀行とのやり取りで困る場面は月次の数字を見ていない会社が、銀行で困ることで説明しています。
銀行との付き合い方を詳しく知りたい方へ
当社が運営する「Bank Design|銀行戦略メディア」の note では、銀行ごとの違い、複数の銀行との付き合い方、金利や返済期間の相談の考え方を、経営者向けに書いています。銀行とのやり取りを詳しく知りたい方は、Bank Design の noteもご覧ください。
財務のご相談
当社は、外部CFOとして、毎月の定例で資金繰り表と試算表を見ながら、借入の時期、投資の可否、採用の余力について、当社の見立てを経営者にお伝えしています。サービスの内容は外部CFOのページで紹介しています。