つなぎ融資とは?

補助金や工事代金の入金までを埋める仕組み

つなぎ融資は、入金が決まっているお金が入るまでの間、先に出ていく支払いを立て替えるための融資です。補助金や工事代金のように、入ってくる額と時期の見込みが立っているのに、支払いが先に来る時に使います。入金があった時点で、まとめて返す形が一般的です。

この記事の要点

  • 補助金は原則として後払いで、事業にかかる費用は会社が先に払います
  • 工事代金は完成した後に入ることが多く、材料費や外注費が先に出ていきます
  • 返すお金のあてが決まっているので、金融機関はその入金が確かかを中心に見ます

融資の判断は金融機関と担当者によって異なり、補助金の採択や工事の契約があれば必ず借りられるという意味ではありません。

補助金は後払いになる

多くの補助金は、交付決定を受けてから事業を始め、費用を払い終えた後に実績報告を出し、事務局の検査で補助金の額が確定してから支払われます。この払い方を精算払いと呼びます。

補助金の交付決定から、発注と支払い、実績報告、検査、入金までの順番と、会社が立て替える期間を示した図

採択の通知が来ても、その時点でお金は入りません。設備の購入や外注の支払いを会社が先に済ませ、入金は事業の期間と検査の期間を過ぎた後です。補助金の額が大きいほど、その間に立て替えるお金も大きくなります。

また、多くの補助金では、交付決定より前に発注や契約をした費用は補助の対象になりません。交付決定を待ってから発注し、支払いを済ませてから入金を待つので、立て替える期間が短くなることはあまりありません。

工事代金は完成した後に入る

建設業では、工事が終わって引き渡した後に代金が入る契約がよくあります。その間に、材料の仕入れ、外注先への支払い、職人の給料が先に出ていきます。工期が長い工事や、大きな工事が重なる時期は、入金を待つ間に手元のお金が足りなくなります。

工事によっては、着工時の前払金や、途中の出来高に応じた中間金を受け取れる契約もあります。公共工事には前払金の制度があります。前払金や中間金が無い工事ほど、立て替えるお金は大きくなります。

つなぎ融資の仕組み

借りる額と返し方

借りる額は、入金予定の額の範囲で、入金までに出ていく支払いの額をもとに決まります。期間中は利息だけを払い、補助金や工事代金が入った時に元金をまとめて返す形が一般的です。

金融機関が見ること

つなぎ融資は返すお金のあてが決まっている融資なので、金融機関は次の3つを中心に見ます。

  • 入金が確かか(補助金の交付決定通知書や、工事の請負契約書があるか)
  • 入金までの間、会社がほかの支払いを続けられるか
  • 入金の時期が遅れた時に、返済を待てる余裕があるか

補助金や工事代金の入金先を、融資を受けた金融機関の口座にするよう求められることもあります。入金をその口座で確かめ、そのまま返済に充てるためです。

つなぎ融資で気をつけること

補助金の額は検査で減ることがある

補助金の額は、交付決定の時点では上限の額で、実績報告の後の検査で確定します。対象にならない費用があれば、入る額は交付決定の額より少なくなります。つなぎ融資を交付決定の額いっぱいで借りていると、減った分は会社の手元のお金で返すことになります。

入金が予定より遅れることがある

事業や工事が遅れたり、実績報告の書類の直しを求められたりすると、入金はその分だけ遅れます。返済の期日までに入金が無い時は、期日を延ばす相談が要ります。

住宅のつなぎ融資とは別のもの

「つなぎ融資」は、個人が家を建てる時に、住宅ローンが実行されるまでの土地代や着工金を借りる融資を指すこともあります。この記事で説明しているのは、会社が補助金や工事代金の入金までを借りる融資です。

つなぎ融資を扱う金融機関

補助金や工事代金のつなぎ融資は、取引のある銀行や信用金庫で相談するのが一般的です。扱いと条件は金融機関ごとに違います。自治体によっては、補助金のつなぎ資金を対象にした制度融資を用意しています。制度融資のしくみは制度融資とはで説明しています。

取引の無い金融機関に、つなぎ融資の時だけ初めて相談しても、会社の様子が分からないため判断に時間がかかります。融資が要る日より前に取引を作っておく理由は、銀行の取引実績とはで説明しています。

銀行との付き合い方を詳しく知りたい方へ

当社が運営する「Bank Design|銀行戦略メディア」のnoteでは、銀行ごとの違い、複数の銀行との付き合い方、融資の相談の考え方を、経営者向けに書いています。補助金のつなぎ融資を申し込む時の段取りは、noteの会員向け記事で扱っています。Bank Designのnoteもご覧ください。

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