100億宣言のメリットは、中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)のFAQによると、ロゴマークの使用、宣言企業向けの補助金への申し込み、経営者のネットワークへの参加、支援策の情報の受け取りの4つです。一方で、宣言書に書いた内容はすべて公表され、宣言は原則として取り下げられません。宣言は会社の目標を社外に約束することでもあるため、メリットとあわせて、公表される内容と取り下げの扱いを確かめてから申請することが望ましいです。
この記事の要点
- メリットは、ロゴマーク、宣言企業向けの補助金、経営者のネットワーク、支援策の情報の4つで、日本政策金融公庫には100億宣言に関連した融資の制度もあります
- 宣言書の内容はすべて公表され、一部だけを非公開にすることはできません
- 宣言の取り下げは原則できず、取り下げると補助金や公庫の融資に影響することがあります
制度の概要と、宣言すると申し込める成長加速化補助金の要件は「100億宣言とは?」をご覧ください。
100億宣言のメリット
宣言した企業は、宣言企業向けの補助金と融資を使えるようになり、ロゴマークと経営者のネットワーク、支援策の情報も得られます。
宣言企業向けの補助金と融資
宣言した企業は、中小企業成長加速化補助金に申請できます。100億企業成長ポータルによると、大規模成長投資補助金の6次公募にも100億宣言企業向けの類型があります。日本政策金融公庫の新事業活動促進資金には「100億宣言関連」があり、宣言に書いた方針にもとづく設備資金と長期運転資金が対象です。利率や限度額は要件によって変わり、審査があるため、宣言しただけで融資を受けられるわけではありません。
公庫の案内によると、この制度の融資限度額は直接貸付で14億4千万円、返済期間は設備資金が20年以内、運転資金が10年以内(据置期間は2年以内)です。利率は基準利率で、1人あたりの給与を3.0%以上増やす見込みであること、事業計画書を出すこと、公庫と民間の金融機関が連携して支援することの要件をすべて満たすと、5億4千万円までは基準利率から0.65%を引いた利率になります。制度の内容は2026年11月3日に公庫のページで確かめたもので、変わることがあります。
補助金の公募には締め切りがあり、宣言が公表されていることが申請の前提になります。100億企業成長ポータルは、成長加速化補助金の3次公募(11月12日15時締め切り)について、宣言の公表には通常2〜3週間かかると案内していました。FAQの「不備が無ければ約10営業日」よりも長くかかる時期があるため、補助金を使う予定がある会社は、公募の締め切りから逆算して宣言を申請する必要があります。
ロゴマークと経営者のネットワーク
宣言企業は100億宣言のロゴマークを使えます。売上高100億円を目指す会社だと社外に示すことで、採用の面接や取引先との商談で、会社が目指す規模を伝える材料になります。経営者のネットワークには地域ごとの集まりもあり、同じ規模の成長を目指す経営者と会う機会があります。
支援策の情報
中小機構の伴走支援や税制など、国の支援策の情報を受け取れます。100億企業成長ポータルでは、宣言企業の一覧と補助金の公募の案内が公表されています。

100億宣言のデメリットと、宣言する前に確かめること
宣言書の内容はすべて公表され、取り下げも原則できないため、公表してよい内容か、直近3期分の決算書がそろうかを先に確かめます。
宣言書の内容はすべて公表される
FAQによると、宣言書に書いた内容はすべて公表され、一部だけを非公開にすることはできません。売上高の目標、達成までの期間、そのために取り組む投資や人材の方針が、社外の誰でも見られる状態になります。取引先や金融機関、競合する会社も読むことを前提に、どこまで書くかを社内で決めておく必要があります。
取り下げは原則できない
宣言の取り下げは原則としてできず、大幅な経営方針の変更がある場合は事務局に相談する扱いです。FAQは、取り下げると成長加速化補助金や公庫の宣言企業向けの融資に影響することがあると書いています。掲載期間の定めは無く、目標を達成した企業は「100億達成企業」として掲載が続きます。
決算書3期分と10年の目安
宣言できるのは売上高10億円以上100億円未満の企業で、申請には直近3期分の決算書(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)が必要です。達成までの期間は10年以内が目安とされています。宣言が認められない場合もあり、不備が無ければ申請から約10営業日で掲載されます。
宣言書の数字と、会社の資金計画をそろえる
宣言書に書く売上高の目標は、借入や設備投資の計画と結びつきます。売上を伸ばすための投資を借入でまかなう場合、宣言書に書いた計画と、金融機関に出す事業計画の数字が食い違うと、説明に時間がかかります。宣言の前に、目標の売上高と、そのために必要な投資と資金の調達の方法を、資金繰りの計画とあわせて確かめておくことが必要です。年商10億円と50億円で成長が止まりやすい理由は「100億宣言の壁」、設備投資を自己資金と借入のどちらでまかなうかは「設備投資は自己資金と借入のどちらがいい?」で取り上げています。
100億宣言と資金計画のご相談
当社の外部CFOは、資金繰り表と予算の管理、金融機関への報告と交渉の準備を引き受け、宣言書の目標と資金計画の数字をそろえる作業も行います。宣言の採択や融資の可否をお約束するサービスではありません。内容は外部CFOのページで紹介しています。