設備投資は自己資金と借入のどちらがいい?

貯めて買う会社と借りて買う会社の差

設備投資を自己資金で行うか借入で行うかは、払う利息の額だけでなく、その設備で利益が増え始める時期で比べると判断しやすくなります。利益を貯めてから買う会社は、貯まるまでの間、売上を伸ばす手を打てません。借りて先に買う会社は、利息を払う代わりに、利益の増える時期を前に倒せます。

この記事の要点

  • 自己資金で買うと利息はかかりませんが、お金が貯まるまで設備を入れられません
  • 架空の例では、約39万円の利息で、利益が増え始める時期を2年早められます
  • 借りて投資する意味があるのは、その設備が売上につながり、増えた利益から返せる時です

この記事の会社と数字は架空です。融資を受けられるかどうかや借りられる額、投資の成果を約束するものではありません。

例の会社(数字はすべて架空です)

  • 年商6,000万円、税金を払った後に残る利益は年300万円
  • 600万円の機械を1台入れると、利益が年200万円増える見込み

自己資金で買う場合: 2年待つ

残る利益をすべて貯めて機械を買うなら、600万円が貯まるまでに2年かかります。利息はかかりませんが、その2年間、利益は今のままです。貯めている間に手元のお金を使い切る形になるので、機械を入れた直後は、急な支払いに回せるお金も少なくなります。

借入で買う場合: すぐに利益が増え始める

銀行から600万円を借りて今すぐ機械を入れれば、来月から増えた分の利益が出始めます。年2.5%、5年で毎月同じ額ずつ返すとすると、返済は月に約10.6万円、年に約128万円です。増える利益の年200万円の中から返せます。

架空の会社で、利益を貯めてから機械を買う場合と、借りて先に買う場合を2年間の時間の流れで比べた図

2年後の時点で比べると、借りた会社はすでに2年分、合わせて約400万円の利益の増えを手にしています。貯めた会社は、ようやく機械を入れたところです。5年間で払う利息の合計は約39万円です。この例では、約39万円の利息で、利益が増え始める時期を2年早められることになります。

借りて返した記録が、次の投資につながる

借りたお金を約束どおりに返すと、銀行は次の融資で、前回より大きな額や長い期間を検討しやすくなります。借りる、設備に使う、利益が増える、返す、返した記録で次を借りやすくなる、という流れを何度か繰り返した会社は、投資の選び方の幅が広がります。返済の記録が審査でどう使われるかは融資の審査基準とは?で説明しています。

借入での投資がうまくいかない場合

この流れが続くのは、買った設備が売上につながる時だけです。売上の伸びない設備を買ったり、赤字を埋めるために借りたりすると、利益が増えないまま返済だけが続き、手元のお金が減っていきます。

見込みどおりに利益が増えるかは、やってみないと分かりません。借りる前に、そのお金で何を買い、それで売上がどう増えるのかを一文で言えるかを確かめておきます。銀行も、この一文の筋が通っているかを見ています。設備資金と運転資金の違いは融資の使い道はどこまで自由?で説明しています。

銀行との付き合い方を詳しく知りたい方へ

当社が運営する「Bank Design|銀行戦略メディア」の note では、銀行ごとの違い、複数の銀行との付き合い方、金利や返済期間の相談の考え方を、経営者向けに書いています。銀行とのやり取りを詳しく知りたい方は、Bank Design の noteもご覧ください。

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