CFO代行は、財務の専任者がいない会社が、CFOの仕事の一部を外部の専門家に頼む方法です。社外CFOや外部CFOと呼ばれることもあります。経理の担当者が帳簿をつけ、顧問の税理士が決算と申告をしていても、その数字を使って先の資金を見通し、借入や投資を決める役割は、経営者が1人で担っている会社が多くあります。
CFO代行に頼めるのは、この「数字を使って判断の材料をつくる」部分です。以下では、頼める仕事の範囲と、経営者が自分で持つ判断、経理の代行や税理士との分け方を説明します。
要点
- CFO代行に頼めるのは、資金繰りの管理、予算と実績の管理、銀行対応の準備です
- 借入や投資を決めるのは経営者で、CFO代行はその材料と選択肢を用意します
- 記帳は経理、決算と申告は税理士、先の見通しはCFO代行と分けます
頼める仕事1.資金繰りの管理
CFO代行の中心になる仕事が、資金繰りの管理です。数か月先までの入金と支払いの予定を並べ、手元のお金が足りなくなる月を前もって見つけます。足りなくなる月が分かれば、支払いの時期をずらす、入金を早める、借入を相談する、といった手を、余裕のあるうちに選べます。
試算表は過去の数字をまとめた表で、資金繰りの表は先の数字を並べた表です。試算表が毎月出ていても、先の入出金を見ていなければ、お金が足りなくなる時期は分かりません。黒字でもお金が足りなくなる理由は黒字でも倒産する会社は、なぜお金が尽きるのかで説明しています。
頼める仕事2.予算と実績の管理
年度の初めに、売上、費用、利益の予算を作り、毎月の実績と比べます。予算との差が大きい項目を、月次の定例で経営者と一緒に確かめ、原因と次の月の手を決めます。予算があると、採用や広告に使えるお金の上限が先に分かり、使うかどうかを数字で判断できます。
頼める仕事3.銀行への報告と交渉の準備
銀行との取引がある会社では、決算の報告、追加の融資の相談、金利の交渉の準備も頼めます。銀行は、決算書だけでなく、途中の月の試算表や資金繰りの見通しも見ています。毎月の数字を整えて報告しておくと、融資を相談する時に、銀行が会社の状況を確かめやすくなります。融資の可否や条件は銀行が審査で決めるので、CFO代行が約束できるものではありません。融資の後に銀行と話す理由は融資を受けた後も、銀行と話し続ける理由で説明しています。

経営者が持つ判断
CFO代行は、判断の材料と選択肢を用意します。借りるか、どの銀行に相談するか、どの投資を先にするかを決めるのは経営者です。CFO代行が「この月に足りなくなります」「この3つの手があります」と示し、経営者がどれを選ぶかを決める、という分け方になります。
決定まで外部に任せると、銀行や取引先と話す時に、経営者が自分の言葉で理由を説明できなくなります。月次の定例では、経営者がCFO代行の説明を聞いて数字を確かめ、どの手を選んだかとその理由を経営者自身が記録しておきます。
経理の代行、顧問税理士との分け方
記帳、請求と支払い、月次の締めは経理の担当か経理の代行が、決算書と税金の申告は顧問の税理士が担当します。CFO代行は、経理が出した試算表を受け取り、先の見通しと判断の材料をつくります。3者の仕事は重なりが少ないので、税理士を替えずにCFO代行を加えられます。
試算表が翌々月にならないと出ない会社では、CFO代行を頼んでも、使える数字が古くなります。毎月の数字が遅い時は、先に経理の締めを早めます。社外CFOと経理・税理士の役割の違いは社外CFOとは?で、費用の決まり方は社外CFOの費用はどう決まる?で説明しています。
CFO代行を検討する時期
CFO代行を頼む会社が多いのは、売上が伸びて取引や借入が増え、経営者が1人で数字を追い切れなくなった時期です。店舗や拠点を増やす、大きな設備を入れる、初めて複数の銀行と取引する、といった時期は、先の資金の見通しを持って判断することになります。
銀行から試算表や資金繰りの見通しを求められて、すぐに出せなかった時も、検討のきっかけになります。社内に財務の担当を採用する方法もありますが、経験のある人を採るには時間と費用がかかります。CFO代行なら、月次の定例の回数を決めて、必要な分だけ頼めます。
CFO代行を頼んだ後も、会社の事情を一番よく知っているのは経営者です。定例の前に、気になっている支払いや、考えている投資を書き出しておくと、定例の時間を判断に使えます。定例で決めたことは、次の定例の最初に、実行できたかを確かめます。決めたまま進んでいない手を早く見つけられます。
外部CFOのご相談
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