社長1人の会社で経理を自動化する5つの手順

社長が1人で経理をしている会社では、毎月の経理の時間の大半が、次の3つの作業に使われています。

  • 財布、メール、LINEに散らばった領収書と請求書を集める
  • 銀行とカードの明細を見ながら、会計ソフトに1件ずつ手で入力する
  • 月末に明細を見て、それぞれの支払いが何だったかを思い出す

この記事でいう経理の自動化は、取引の取り込みと仕訳の下書きを会計ソフトに任せ、人は下書きを確認するだけにすることです。経理の担当者を1人雇っても、上の3つの作業は残り、担当者が毎月行うことになります。会計ソフトと法人カードの設定を整えれば、3つの作業は人を増やさずになくせます。

この記事の要点

  • 支払いを法人カードにまとめ、口座とカードを会計ソフトにつなぐと、仕訳の下書きを会計ソフトが作ります
  • メールやWebで受け取った請求書と領収書は、データのまま共有フォルダに保存します
  • 現金払いと個人の立て替えは、出す期限と方法を決めて、月に1回まとめて処理します

経理の自動化でなくせる作業と、残る作業

支払いを法人カードにまとめると、カードの明細がそのまま経費の一覧になり、領収書を後から集める作業がなくなります。法人カードと銀行口座を会計ソフトにつなぐと、取引が自動で取り込まれ、仕訳(取引を勘定科目ごとに帳簿へ記録すること)の下書きも会計ソフトが作ります。

取引が会計ソフトに入るまでの流れ。法人カードや銀行口座で支払う、会計ソフトが取引を自動で取り込み仕訳の下書きを作る、人は下書きを確認して確定する

自動化しても、人がする作業は残ります。仕訳の下書きを確認して確定すること、自社の請求書を発行すること、届いた請求書を共有フォルダに入れることの3つです。

経理の作業の変化。今は領収書を集める、明細を手で入力する、支払いの中身を思い出す。整えた後は法人カードの明細が経費の一覧になり、取引は自動で取り込まれ、書類は共有フォルダに入っている

自動化を始める前にそろえる会計ソフトと法人カード

会計ソフトは、銀行口座とカードの明細を自動で取り込めるクラウドの会計ソフトを使います。当社のAI経理では、freee会計かマネーフォワード クラウド会計を使います。

法人カードは、年会費やポイントより先に、次の3点で選びます。

確かめること

理由

使っている会計ソフトと明細を連携できるか

連携できないと、明細を手で入力する作業が残ります

社員用の追加カードを出せるか

社員の立て替えを減らせます。明細で誰が使ったかも分かります

経営者個人のカードと分けて使えるか

会社の支払いと個人の支払いが混ざると、仕分ける作業が毎月残ります

書類の保存にも決まりがあります。2024年1月から、メールやWebサイトで受け取った請求書や領収書のデータは、データのまま保存する必要があります。国税庁の案内では、受け取ったデータが原本とされ、印刷して紙で保管する場合も元のデータは消さずに残します。保存の方法は、国税庁の電子取引データの保存方法の案内で確かめ、細かい点は税理士に確認してください。

経理を自動化する5つの手順

1. 入出金に使う口座やカードの数を数えます

最初に、会社の入出金に使っているものを書き出します。銀行口座、法人カード、現金、レジ、請求書を作るソフトが、それぞれいくつあるかを数えます。現金で払っている支払いが月に何件あるかも数えます。口座やカードの数が少ないほど、会計ソフトにつなぐ先が減り、手で入力する取引も減ります。

2. 個人の立て替えと現金払いを、法人カードに切り替えます

社長や社員が個人で立て替えていた支払いと、現金で払っていた支払いを、できる限り法人カードに切り替えます。カードで払えない取引だけを残し、その領収書を誰が、いつまでに、どの方法で出すかを決めます。

たとえば「支払った本人が、翌月の第3営業日までに、スマートフォンで撮影して共有フォルダに入れる」のように決めます。期限と方法を決めていない会社では、領収書が月末にまとめて届き、そこから入力が始まります。

3. 共有フォルダに「請求書」「領収書」「経費精算」の3つを作ります

書類の置き場所をこの3つのフォルダに決め、ほかの場所には置かないことを社内の決まりにします。メールで届いた請求書のPDFも、このフォルダにデータのまま入れます。ファイル名は「日付_取引先_金額」のようにそろえておくと、後から探せます。

4. 勘定科目の対応表を作り、会計ソフトに自動仕訳のルールを登録します

どの支払いをどの勘定科目(帳簿の分類)に入れるかを、取引ごとに1枚の表にまとめます。表のとおりに会計ソフトの自動仕訳のルールを登録すると、翌月からは取引が取り込まれるたびに仕訳の下書きが作られます。勘定科目の判断には会計の知識が要るため、対応表は税理士か公認会計士に確認してもらいます。

5. 月次の締めの手順を1枚の点検表にします

毎月いつまでに書類をそろえ、いつ試算表(月ごとの損益と残高をまとめた表)を確認するかを、1枚の点検表に書きます。手順が紙に残っていれば、担当者が替わっても同じ日に毎月の数字を確認できます。

点検表は、たとえば次のような形です。期限と担当は会社に合わせて決めます。

翌月の期限

すること(担当)

第3営業日

カードで払えなかった支払いの領収書を共有フォルダに入れる(支払った本人)

第3営業日

届いた請求書を共有フォルダに入れる(受け取った人)

第5営業日

会計ソフトの仕訳の下書きを確認して確定する(社長)

第5営業日

口座とカードの残高が会計ソフトと合っているかを見る(社長)

第7営業日

試算表を見て、売上と経費の動きを確認する(社長)

会計ソフトにつなげない取引の扱い方

法人カードに切り替えても、会計ソフトに自動で入らない取引は残ります。よくある3つの取引は、次のように扱います。

取引

扱い方

現金での支払い

件数を減らしたうえで、領収書を撮影して共有フォルダに入れ、月に1回まとめて会計ソフトに入力する

社長や社員の立て替え

会計ソフトの経費精算の機能か精算の表に記録し、月に1回まとめて精算する

連携に対応していない口座や決済サービス

明細のファイルを月に1回書き出し、会計ソフトに取り込む

現金での支払いが多く、法人カードに切り替えられない会社では、領収書を集める作業が残ります。その場合は、手順2の領収書を出す期限と方法を決めるところから始めます。

当社のAI経理について

当社のAI経理では、会計ソフトの設定、銀行とカードの連携、証憑(領収書や請求書などの書類)の提出ルールを作ります。公認会計士が監修した仕訳のルールと、月次の締めの手順書も作り、自社で毎月の経理を締められる状態にしてお渡しします。会計ソフトはfreee会計かマネーフォワード クラウド会計を使います。今の税理士とは、決算と申告のお付き合いをそのまま続けられます。

領収書の回収や明細の手入力に毎月時間を取られている場合は、ご相談ください。今の経理の手順を伺い、どの作業からなくせるかをお伝えします。内容はAI経理のページで紹介しています。

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